弁護士・社会福祉士 曽我 智史氏(尼崎駅前法律事務所)応援メッセージ

阪神ダルクを応援しています‼

 阪神ダルクの活動は、社会的に意義があります。依存症のために、独力では社会生活を営むことが困難な人に、居住場所を提供して自立をサポートします。依存症の対象は、薬物、アルコール、ギャンブル、ゲーム、ネット、買い物など様々です。依存症は、精神障がいであり、その回復のためには、適切な治療が必要です。そして、その一つに、社会とのつながりを再構築するというプロセスが必要とされています。実は、依存症から回復するためには、これが不可欠です。阪神ダルクは、依存症の人に対して、単に居住場所を提供しているのではなく、社会とのつながりを持つための居場所を提供しているのであり、極めて重要な回復の機会を提供しているのです。

 依存症の人たちが回復するためには、地域社会から排除されることはあってはなりません。むしろ、地域社会に受け入れられる中で、回復が得られます。また、依存症の人たちは、決して犯罪者などではありません。むしろ、孤独を紛らわせるために、何かに依存し、それにより自分を生きることを保っているのであり、地域社会は、彼ら・彼女らに、孤独を感じさせないような働きかけをしなければならないのです。

 阪神ダルクの活動を支え応援することは、社会的な連帯意識が低下した現代社会のなかで、地域連帯を取り戻し、地域社会での支え合いの精神を醸成し、社会福祉の基盤を形成あるいは強化することに繋がります。社会において苦しい立場にある人を支えるという精神の実践は、必ず、それを実践した人のために還元されるはずです。

 私は、社会福祉士・弁護士として、依存症で苦しむ人たちと出会ってきました。もちろん、薬物依存により刑事裁判を受けることになった人とも出会ってきました。他方で、彼ら・彼女らが、社会的な居場所を見つけ、自己存在感を取り戻す機会を得ることにより、回復していくという事例も数多く見てきました。依存症で苦しむ人たちが、ダルクを利用することで、自立していくという好例は数多くあるのです。

 人はだれしも孤独です。人は誰でも、孤独に耐えきれずに精神がダウンすることがあります。その程度は人によって違いますが、強いと思われていた人が酷くダウンすることもあります。そして、人は、そのようなときに、程よい距離感で接することのできる他人を求めるものだと思います。独力で適度に他人との関係を結び、孤独とも向き合いながら自己受容ができれば、依存症には至らないのが通常ですが、人は皆が皆、そんなに器用ではありません。人は不完全であり、その不完全さに正面から向き合うことの苦しみは、誰もが程度の差こそあれ経験したことがあるはずです。

 阪神ダルクは、このような人のもつサガに正面から取り組むという他の支援機関にはなかなかできないことにまで取り組んでいます。

このように阪神ダルクの存在は、とても貴重であり、末永く応援をしていきたいと考えています。 

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